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アンカリング効果 [選択科目(elective courses)]

昨日のネゴシエーションクラスでは、交渉におけるアンカリング効果について話し合いました。


アンカリング効果とは、判断前に認識した特定の数値や情報が印象に残り、それが基準点(アンカー)となり、判断に影響を及ぼす心理傾向のことです。

とある実験では、ルーレットを回して、出た目の分だけお金をあげるという偽のイベントで被験者をあつめ、被験者を2つのグループに分けます。

実際にルーレットを回してもらいますが、出る目は初めから決まっており、出る目が5ドルのグループと60ドルのグループを作りました。

ルーレットを回して、5ドルをもらった人に、アメリカでアフリカ系の人は5%以上いますか?と聞くと、大体5%以上はいると答える。この5という数字がアンカーになっています。その後、では、アフリカ系の人は実際何パーセントいると思いますかと聞くと、15%と答えました。

一方、ルーレットで60ドルをもらった人に、同じ質問をすると、アフリカ系の人の割合は60%以下だと多くの人が答えます。この60という数字がアンカーになっています。そして、では、アフリカ系の人は何パーセントいると思いますかと聞くと、35%と答えました。

ルーレットを回してでたどうでもいい数字のせいで、人々の考えるアメリカにおけるアフリカ系の割合が20%も変わってしまったわけです。

この効果を交渉でも利用することが出来ます。


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交渉では、初めの提示額を本当に自分が商品を売りたい値段より高く相手につたえます。そうすることで、相手の心に高い値段の基準点を作り、交渉を自分の有利な方向にもって行きやすくします。

現実では往々にして、両サイドがこの戦略をとろうとすることが多いです。(買い手は本当に買いたい値段よりも安い値段を初めに提示してくる。)そういう時は、価格の提示を自分から始めることでこちら側のアンカリングを少しでも強くします。

この効果の面白いところは、アンカリング効果という心理傾向があるという認識をしたとしても、この効果からは逃げられない所です。

アンカリング効果から逃げる有力な方法は、交渉の準備をしっかりしておくことです。自分の最悪払っても良い価格や商品の本当の価値を見定めておければ、この効果の罠にひっかかる可能性が減ります。

交渉は、私たちの身の回りにたくさん存在します。車や家の購入などの際は、アンカリング効果を思い出して、準備をしっかりして、自分の買いたい値段より安い金額を提示しましょう笑


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